星めぐりの歌 オルゴール化  2009

                                双子の星 part2

 

宮沢賢治の「双子の星」のおはなしは

つぎのように始まっています。

.

天の川の西の岸に、すぎなの胞子ほどの小さな二つの星が見えます。

あれはチュンセ童子とポウセ童子といふお星さまの住でゐる小さな水精のお宮です。

このすきとほる二つのお宮は、まっすぐ向い合ってゐます。夜は二人とも、

きっとお宮に帰って、きちんと座り、星めぐりの歌に合せて、一晩銀笛を

吹くのです。それがこの双子のお星様の役目でした。

(筑摩書房「宮沢賢治全集5」)


双子の星版オルゴールの二案目は

この部分を元につくることにしました。


わかりにくい写真ですが、お宮があって中で童子がひとり笛を吹いています。階段のついた下の台の部分にメカ音源が入ります。

あれ?童子は一人、お宮は一つなの?といわれそうですが、写真に撮れないだけで、

ちゃんと反対側もお宮になっていてそこにもう一人の童子もいます。つまり一つ屋根の下に

二つのお宮が背中合わせに入っている

「棟割り長屋」の構造になっているのですね。

両面観音にたとえれば、「両面お宮」というところでしょうか。


ついでにいえば、このお宮のつくりは

フィレンツェで見た聖母マリアさまのお堂を参考にしました。

全体デザインは、FIRENZE「サンタ・クローチェ教会」横の通りを直進したところにある聖母マリアのお堂を参考に。

お堂の内部天井。

金彩の星がきらめいています。

成形終了。

このあと素焼き窯に。

表・裏両面がお宮の構造