銀河鉄道版のための星座図

星めぐりの歌 星座図

 

「星めぐりの歌」に出てくる星座は8つ

ピンクの蛍光ペンの星座がそれにあたる。

図全体で星座の数は33。ブルーの帯は天の川。


この星座図をもとに、素焼きの段階で

オルゴール箱に一つひとつ星座を描き

込んでいく。


賢治の詞に書かれた星座は以下の通り。

<詞の1番>

「あかいめだまのさそり」

→さそり座と一等星アンタレスをさす。

「ひろげたわしのつばさ」

→わし座と一等星アルタイをさす。

「あおいめだまのこいぬ」

→こいぬ座と一等星プロキオンをさす。

「ひかりのへびのとぐろ」

へびつかい座とへび座(このふたつは一体の星座)をさす。

「オリオンはたかくうたい」

→オリオン座と一等星リゲルとベテルゲウズをさす。(この星座には一等星がふたつもある)

<詞の2番>

「アンドロメダのくもは」

→アンドロメダ座とアンドロメダ大星雲をさす。

「おおぐまのあしをきたへ」

→おおぐま座とそのなかの北斗七星をさす。

「こぐまのひたいのうえは」

→こぐま座と北極星。


上の星座を季節のめぐりで見ると以下の通り。

さそり座/夏、わし座/夏、

こいぬ座/冬、へび座/夏、オリオン座/冬

アンドロメダ座/秋、おおぐま座/春、こぐま座/春(?)


このうち詞の一番をみると、

夏の星座と冬の星座が互い違いになっている。

つまり賢治は、四季の星座のめぐりと、「星めぐりの歌」の星座のめぐりを一致させてはいない。

したがって、デザインとしての星座図をおこすとき、詞のとおりに星座を配置した上で、8点以外の星座を入れようとすると、困ったことになる。


たとえば、夏の星座にはほかにも

「はくちょう座」「こと座」「ヘラクレ座」「いて座」など素敵な星座がたくさんある。

冬の星座にはほかにも、

「おおいぬ座」「ふたご座」「おうし座」「ぎょしゃ座」などすごい星座がひしめいている。


こうした星座を、詞の8星座の中へ加えると、ひどく季節の混乱した配置になってしまう。


というわけで、

わたしの「星めぐりの歌」の星座図では

四季のめぐりに合わせ季節別にまとめて配置することにした。

夏の星座(さそり座、わし座、へび座+はくちょう座、こと座など)

冬の星座(こいぬ座、オリオン座+おおいぬ座、おうし座など)

春の星座(おおぐま座、こぐま座+おとめ座、しし座など)

秋の星座(アンドロメダ座+みずがめ座、カシオペア座など)


四季の星のめぐりというのは、地球上から星座を見たときのこと。つまり地球中心の星の見方。宇宙空間に身を置けば、地球の四季のしばりから完全に解放される。

賢治はそうした宇宙的視点で詞を書いたのかもしれない。(つまり、銀河鉄道の座席からの視点)

当然、双子の童子ポンセとチュンセが見ている星空にも季節などというものでの線引きなどないのでしょう。



 


図の中の四角い枠が銀河鉄道版オルゴール本体の展開図。

 

星座図A

星座図B